WEB教育長室

最終更新日:2024年4月1日

 

教育長あいさつ

おおなんちょうきょういくちょうおおはしさとるのしゃしん  ようこそ WEB教育長室へ 邑南町教育長 大橋 覚

あいさつ

 令和6年3月議会定例会 教育方針

令和6年3月 邑南町教育方針 (215KB)




令和6年3月定例議会にあたり、令和6年度邑南町教育行政の方針と主な施策についてお示しし、皆様方のご理解とご支援を賜りたいと思います。

 現代社会では、コロナ禍や社会構造の変化など、町民が抱える困難が多様化・複雑化する中で、邑南町の教育の創造を考えたとき、今必要なことは、学校教育及び社会教育を通して、町民一人一人の自己肯定感・自己実現などの獲得的な要素と、人とのつながりや協調的な要素とのバランスを取り入れながら、調和と協調に基づくウェルビーイング(身体的・精神的・社会的によい状態にあること。短期的な幸せのみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸せを含む概念のこと)を向上させることにあると考えています。
 そして、そのことをより確固たるものにしていくために、生命の安全・安心を誰もが感じられるように、危機管理(リスクマネージメント)を徹底していくことか重要な課題であると認識し、次に述べる教育委員会の所管する主な施策を展開していきたいと考えています。

 これから教育委員会の所管する主な施策について、学校教育、生涯学習、施設の改修等の3つの視点から述べます。
1つめに学校教育についてです。
はじめに多様性教育の推進についてです。
それぞれの違いを認め、その違いを豊かに変えるとともに、差別を許さない教育にも繋げるため、教職員研修を実施し、多様性教育の充実を図りたいと考えています。
 いじめについては、早期発見やその積極的な認知によって迅速にかつ組織的に取り組まなければなりません。平素から「いじめ防止対策推進法」をはじめ「いじめ防止等のための基本的な方針」「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」に沿った対応スキルを、教職員研修等を通して向上させていく必要があります。また、各学校の基本方針の内容を保護者とも共有し、学校と家庭の協働で解決にあたる体制づくりが急務です、学校と双方向で連携しながら迅速に対応できるよう、体制強化に努めたいと考えています。

 次に様々な課題を抱える子どもたちへの支援についてです。
 学校には学校に行きづらい子ども、学びづらさがある子ども、家庭での問題を抱えている子どもなど、様々な課題を抱えている子どもたちがいます。学校と情報の共有を図りながら、関係機関との連携の基、個々にふさわしい学びのあり方を探り支援していきます。
 また、学校に行きづらい子どもの居場所づくりについて、調査研究のための先進地視察、関係機関との協議のほか、町民の皆様及び専門家等の意見も頂きながら、現在設置している教育支援センターのあり方を含め、邑南町の現状に則した「場づくり」を検討していきたいと考えています。
 また、通常学級に在籍する学びづらさのある子どもを支援するため、支援員の配置を充実します。
 邑南町は現在、支援を必要とする児童生徒、保護者に対して、教育、福祉、保健、医療、労働等の関係機関が連携して対応しています。
 障がいのあるなしにかかわらず、すべての子どもができる限り共に学ぶことや、それぞれの学齢に応じた教育を提供できるよう、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導・支援を行いながら、子どもの願いに応じた自立や社会参加をめざしています。

 次に主体的・対話的で深い学びを実現するための授業改革についてです。
自分の考えと違う意見も大切にし、考えを伝え合い・聞き合い、よりよい考えを協働して見つけだすような学習を実現するため、引き続き「学び合い学習」を推進します。
 授業に小グループ等を取り入れた協働的な学びや他者とのコミュニケーションによる学びを実施することで、学力向上や人間関係形成力を醸成しながら、人間関係づくりにもつなげていきたいと考えています。

 次に学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行についてです。
国が令和5年度から令和7年度を「改革推進期間」と位置づけ、公立中学校の休日の部活動を段階的に地域連携・地域移行するためのガイドラインを示しました。また、県からは、2030年に開催される国民スポーツ大会に向け、競技力向上と部活動の地域移行を両立して進めていくことが示されました。
 未来に繋がるような、また、地域文化の継承としての部活動のあり方を具体的に検討していきたいと考えています。そのために、現在モデル的に試行しています事例について、引き続き地域の方の協力を得ながら、本格的に移行した場合の問題点等を解決するための研究を続けていき、よりよい形で実施に向かいたいと考えています。

 次に「コミュニティ・スクールの導入」及び「地域とともにある学校づくり」についてです。
昨年度、プロジェクトチームを設置して、コミュニティ・スクール設置の根拠法令の学習会や、地域・学校・保護者が各地域で共有している「地域で育てたい子ども像」を今一度共有しました。このことは事業を進めていく上で、とても大切な土壌となることを理解していただくよう、今後も地域に向けてその情報発信に努めたいと考えています。
 また、小中学校の9年間を通じて、地域との関わりを意図的に設定し、ふるさと教育の充実を図ることで、学校とともに持続可能な「地域づくりの担い手」の育成につなげていきたいと考えています。そのため、地域の実情に応じてではありますが、基本的にコミュニティ・スクールの設置範囲を中学校区とし、その設置に向け関係機関と協議を進めていきます。


 次にICTの利活用についてです。
 学習においては、タブレット端末等の積極的な活用により、情報活用能力の育成とともに情報処理能力を育成します。
 これまでの紙でのドリル学習に替え、繰り返し練習できる端末でのドリル学習にすることを、保護者の理解を得て進めていきたいと考えています。
 授業においても、タブレット端末を有効活用しながら個別最適な学びの追求、また、協働的な学習を進めることができるように、町教研ICT推進部会と連携しながら授業の改善を図っていきます。
 また、インターネットを活用し、町内外の様々な人との交流活動も実施できるよう支援していきたいと考えています。

 学校校務においては、3市3町で共同導入をしました「統合型校務支援システム」が令和6年度より本格稼働となります。これに併せ現在の事務処理の見直しを行い、学校事務の負担軽減を図ります。また、学校と家庭の連絡アプリを活用し、欠席・遅刻などの連絡や配布物のデジタル化を推進するとともに、保護者への情報提供を積極的に行っていきます。
 これらのICT化推進のため、教育委員会へICT支援員を配置し、学校へのサポートを行います。教員の負担を軽減し、児童生徒と向き合う時間を確保することが、教員の教育に対する情熱や教職の魅力を持続させることと考えています。

 次に、ふるさと学習・キャリア学習についてです。
 ふるさとを素材にした邑南町ならではのダイナミックな体験活動をとおして、邑南町で育つすばらしさを学び、誇りを持ち、地域において子どもたち一人一人が持続可能な社会の創り手として、その多様性を原動力とし、質的な豊かさを伴った、個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくこと期待し、学校、家庭、地域協働のもと取り組んで行きます。学校でのふるさと教育に地域住民が参加したり、児童生徒が地域の活動に主体的に取り組むなど、キャリア教育とも関連付けながら、学校・家庭・地域が一体となったとなった「ふるさと教育」を推進していきます。学校教育で行われている「ふるさと教育」と公民館を中心に社会教育で行われている「ふるさと学習」の内容の点検を実施し、より効果的な「ふるさと教育」の実施を考えています。

 そして最後に、情報活用教育や読解力育成の推進についてです。
 将来、多くの仕事が人工知能(AI)によって奪われる可能性があると言われている一方で、人工知能(AI)が不得意と言われている力があります。それは読解力です。
 読解力を測るため、邑南町では現在対象学年を変えながら、教科書の記述などをもとにして開発された読解力テストを実施しています。その結果と、全国学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果との相関を分析したところ、読解力の結果と全国学力テストの結果には相関関係があるとの結果を得ています。
 令和6年度はこれら分析の結果をより確実にしていくため、全国学力テストの対象学年である中学校3年生を対象に読解力テストを実施したいと考えています。
 この結果を受け、教科書の記述を、十分に理解できない子どもたちがいるという前提に立ち、日々の授業の改善を図ります。また、読解力と関係の深い語彙数を増やすため、小学校低学年から辞書に親しむ学習を継続していきます。また、情報の収集から考えをまとめ、表現する情報活用能力を、あらゆる教科学習を通して、また、小中一貫して高めていけるような取り組みを進めます。学習の成果の一つとして、引き続き「調べる学習展」、併せて教員に対しては、情報活用教育講座の受講を段階的に進めるよう計画しようと考えています。

 2つめに生涯学習関係について述べます。
 はじめに社会教育の推進についてです。
 社会教育の推進にあたり、最も中心的な役割を果たす場は公民館です。
 公民館は「地域住民と行政の協働づくりの場」として、邑南町を持続可能な町にしていくための原動力になる存在です。
 しかし、地域において、少子高齢化や人口減少による担い手不足など様々な課題が生じる中、公民館活動へ関わる方が固定化している現状もあります。この現状を打開するため、公民館を拠点に色々な得意をお持ちの方に繋がっていただき、その広がりから新たなゆるやかな関係性を築き、連携協力しながら生まれる学習・実践活動から繰り返される「学びのサイクル」を構築していきます。また、地域課題解決等に向け自発的・継続的に取り組む人づくりを促進し、住民参加の地域づくりに寄与していきます。その上で、あらためて公民館活動を含めた社会教育全般の幅広さや楽しさを多くの方に知ってもらい、繋がってもらうことで新たな関係性が生まれ、このことが、持続可能な地域づくりの推進力となることを期待し事業を進めていきたいと考えていきます。

 次に、共生社会の実現についてです。
 邑南町は、共生社会のホストタウンとして、国の指定を受け様々な取り組みを進めてまいりました。
 「邑南町共生社会推進アドバイザー」であるゴールボール元日本代表の浦田理恵さんにアドバイスをいただきながら、障がい及び障がい者理解をはじめ、お互いを尊重し多様性を認め合う学習の充実を図り、共生社会の実現に向け、「ひとにやさしいまちへ」さらに進めていきたいと考えています。日本で唯一北欧学科を有する東海大学との交流により、フィンランド共和国を中心とした北欧の教育福祉の学びを深め、邑南町のひとにやさしいまちづくりのデザインの要素に活かしていきたいと考えています。

 次に、社会体育の推進についてです。
 町民の方の健康づくりの一環として、モルック等の生涯スポーツやフィンランド協会によるノルディックウォーキングの普及活動を支援していきたいと考えています。
 スポーツ活動を通じた「共生社会の実現」をめざし、障がいの有無にかかわらず、だれもが取り組むことのできる競技の普及に努めるとともに、障がい及び障がい者理解の一環として学校や地域でのボッチャ、ゴールボール等障がい者スポーツ体験活動にも取り組むよう計画していく予定です。
 また、2030年に島根県で開催される第84回国民スポーツ大会の中央競技団体正規視察が行われます。いわみスタジアム・瑞穂球場の会場施設への指示等を受け、国民スポーツ大会開催に向けての組織作りや会場の改修計画策定など、準備を進めるとともに、住民の気運醸成を図ります。
 また、中学校の部活動における段階的な地域連携や、地域クラブ活動への移行に向けては、運営体制や指導者確保のための具体的な方策を検討し、指導者養成を含め、地域の方に研修会等を開催するとともに、各種団体が開催する研修等の情報発信にも努めて参りたいと考えています。 
 次に、図書館についてです。
 令和6年度は第4次「邑南町子ども読書活動推進計画」の改定の年になります。新たに、2019年に「読書バリアフリー法」が制定されたことを受け、さまざまな立場の人が利用できる施設のあり方を考えていく必要があります。バリアフリー図書や、読書をサポートする技術や道具についても考えていきます。

 次に、文化財関係についてです。
 令和3年10月に、久喜銀山遺跡が国史跡へ指定されたことを受け、今後の史跡等のあり方について保存活用計画を策定し、令和6年度中の国の認定をめざします。さらに、久喜銀山遺跡の歴史的価値について、子どもたちを含めた町民の方への理解を深めていくための働きかけを史跡活用の方向性と方法に基づき進めたいと考えています。
 また、瑞穂ハンザケ自然館について、様々な年代の方々の生涯を通じた学びを推し進める教育活動の場としてとらえ、学校教育とも連携するほか、地域の自然環境の情報発信および体験活動の実施を考えています。

 次に、食育推進についてです。
 今後は第4次食育推進計画に基づき食育の推進をめざし、食文化の伝承や地産地消の推進の取り組みを行うとともに、農業体験を通じた食の大切さの理解を育む体験活動を実施するよう考えています。
 また、食育と地産地消について、関係機関等との対話の場を設け、その方向性等見いだしていくための具体的な行動を考えていきます。

 次に学校給食についてです。
 学校給食については、食材費や燃料費の高騰が続いていますが、そのような中でも、地元生産者と連携し食材の確保に努めるなど、今まで通り安心安全で栄養バランスがとれた給食の提供が出来るよう、また、郷土料理を含めた、邑南町ならではの学校給食の提供ができるよう研究に努めていきたいと考えています。

 3つめに、改修・修繕関係について述べます。
 はじめに、学校施設関係についてです。
 石見中学校の建設について、令和6年5月末の完成予定としており、2学期より新校舎で授業が開始されます。
 校舎完成に伴い、旧校舎の取り壊しや校庭工事が開始されます。この作業により近隣の皆様にはご迷惑をおかけすることが予想されますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 小中学校の各教室照明や屋内運動場のLED化について、年次計画を立て改修を行う予定です。
 また、学校のトイレ洋式化工事の実施を計画しています。工事の完成により町内小中学校の洋式化率は、約70%となります。
 さらに、児童生徒の安全確保のため、各学校へ防犯カメラ等の設置を順次進めていきます。また、地域の皆さんと各学校の安全教育の取組みを共有し、地域と一体となった学校安全の強化に努めていきたいと考えています。

 そして最後に生涯学習施設関係です。
 井原公民館の再整備について、令和6年度に策定される基本構想により、関係機関との協議調整をおこない、より具体的な計画の策定へと進めていきます。  
 今後も引き続き井原公民館再整備検討委員の皆さんや関係者とのコミュニケーションを密にとりながら、計画を進めていきたいと考えています。
 また、社会体育施設等の照明設備のLED化工事を進め、省エネルギーによる脱炭素社会への移行を推進していきたいと考えています。
 
 以上、令和6年度の教育行政の概要及び教育委員会が所管します主な施策について申し上げました。
 今後とも、議員の皆様をはじめ、町民の皆様方の御理解と御支援をいただきますようお願いいたします。

 


 

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