町長に就任して半年を振り返って

最終更新日:2025年4月28日

 昨年10月に町長に就任以来、一番大きな仕事は令和7年度予算を編成することでした。大型事業により財政事情が厳しいなかで、近年の人件費をはじめとする物価高騰と金利上昇のため歳出削減には苦労しましたが。職員の努力により約3億5千万円の経費節減ができ、結果的には財源不足を約4億5千万円まで圧縮することができました。

 圧縮できなかった4億5千万円のうち約2億7千万円は、邑智郡総合事務組合への負担金です。国はシステムの安全化と将来的な負担軽減のため「自治体情報システム標準化・共通化」を進めています。しかし、現実的には邑智郡のような小さな自治体では従来より運営コストが増大(邑智郡の場合は3.9倍の想定)する事態となっています。現在、見積額の精査や国への支援を要望しているため、一定程度、経費削減され負担金減額の可能性があります。

 財政再建を掲げたものの、財源不足を生じ財政調整基金を取り崩す予算となりましたが、私自身としては今後への財政再建の手ごたえを感じています。ただ、意思決定等においては多くの反省点がありました。

 今回一番の反省は、公立邑智病院の「訪問看護事業」です。私は現在、邑南町長であるとともに公立邑智病院の管理者でもあります。令和7年度から新たに公立邑智病院で取り組む訪問看護事業については、私の説明不足により2月27日病院組合議会で議案の同意を得ることができませんでした。

 原因は、邑南町社会福祉協議会が訪問看護事業の撤退を表明したのち邑智病院が引き継ぐことになった経緯と意思決定の過程を私が正確に把握できていなかったことと、看護師の確保が困難なため邑南町社会福祉協議会が撤退した事業を邑智病院が行った場合の、邑智郡内への医療体制に何らかの悪影響が出るのではないかという病院組合議会の不安に対しての理解と説明の不足でした。

 再度、3月25日に病院組合議会を開催して病院の看護師の人数、訪問看護の必要人数等説明を行い、邑智病院において現在看護師不足は生じておらず訪問看護を行っても医療体制には影響がないことから「訪問看護事業」に取り組むことについて理解を得ました。年度末での議決となったため、訪問看護を利用されているみなさんには大きな不安とご心配をおかけしました。

 また、邑智病院としては「訪問看護事業」に取り組むことにより、引き続き地域包括ケア病棟の機能を維持することもできます。邑南町社会福祉協議会の訪問看護事業撤退の表明後、町内の訪問看護事業者様には利用者の受け入れ相談など多大なるご協力をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。

 しかしながら、一方で、『邑南町内の医療法人が邑南町社会福祉協議会の訪問看護を利用していた人の受け入れを拒んだため、邑智病院が止む無く訪問看護事業を行う』と受け取られるような説明となった部分もあり、町民や関係者のみなさんに深く反省しお詫び申し上げます。

 改めてまして、より一層意思決定過程における議論と情報の共有を図っていく必要性を痛感しています。組織としての機能改善を行いながら、今後の政策立案・予算編成を行っていきますので、これからも町民のみなさんのご理解とご協力をお願いします。

                                        令和7年4月28日

                                           邑南町長 大屋 光宏

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